No.82018.12.20

年5日の年次有給休暇取得の義務化

(平成30年12月20日更新)

 

年5日の年次有給休暇取得の義務化

 

まず労働基準法では、以下の2つの条件を満たすとき、使用者は従業員に年次有給休暇を付与しなければなりません。

1.雇われた日から6か月継続経過している事

2.その期間の中の全労働日の8割以上出勤 した事

 

尚、「働き方改革関連法」により、労働基準法第39条に「年5日の年休取得の義務化」に関する規定が新設され、2019年4月より施行されます。これにより、労働者に年休を5日取得させることができなかった使用者に対し、30万円以下の罰金が科せられるという事です。

 

5日の年休取得の義務のポイント

 

対象者は、年休が10日以上付与される労働者(管理監督者を含む)に限る。

労働者ごとに、年休を付与した日(基準日) から1年以内に5日について、使用者が取得時季を指定して与える必要がある。

年休を5日以上取得済みの労働者に対しては、使用者による時季指定は不要である。

労働者が自ら申し出て取得した日数や、計画的付与により取得時季を定めて与えた日数は5日から控除することができる。

・労働者が自ら5日取得した場合   → 使用者の時季指定は不要

・労働者が自ら3日取得+計画的付与2日の場合  → 使用者の時季指定は不要

・労働者が自ら3日取得した場合       → 使用者は2日を時季指定

・計画的付与で2日取得した場合  → 使用者は3日を時季指定

使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければならない。

使用者は、労働者ごとに年休管理簿を作成し、3年間保存しなければならない。

 

年次有給休暇が10日以上付与される労働者が対象とは?(管理監督者を含む)

 

正社員だけではなく、パート、アルバイト、契約社員、嘱託社員も、年次有給休暇が10日以上付与されていれば対象になります。但し10日以上の有休が付与されないパートやアルバイトには、有休を5日消化させる義務はありません。

当面の対応としては、会社もしくは事業場全体の休業による一斉付与方法などの年次有給休暇の計画的付与を用いる会社が多いと思われます。但し、年次有給休暇の計画的付与を行うためには、就業規則による規定と労使協定の締結が必要になるため、就業規則の条文追加及び協定の文面や手続きに漏れがないように十分注意して下さい。

なお、働き方改革関連法では、半日単位年休を「0.5日」カウントとして、使用者が取得させるべき年5日に含めることが可能とされています。労働者が自ら取得した半日単位年休については勿論のこと、事業主が時季指定にて付与する有給休暇についても半日単位で行うことができます。 但し、後者の場合には、予め労働者側の意見を聴き、半日単位での取得の希望があったことが大前提となりますので、使用者側はしっかりと手順を踏む必要があります。 法の施行前に、全社員の年次有給休暇の取得状況の把握、年次有給休暇の計画的付与の実施をはじめとする準備・対策を進める必要があると考えます。

 

 

 

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