No.392021.12.1
(令和3年12月1日更新)
①令和4年1月以降の雇用調整助成金の特例措置に関する方針
11月22日で示された方針では、令和3年12月まで現在の内容を維持したうえで、令和4年1月以降段階的に縮小
する内容となっています。
【令和3年12月までの雇用調整助成金】
原則:1日あたり支給上限額13,500円
助成率:4/5(令和2年1月24日以降解雇等を行っていない場合は9/10)
地域特例・業況特例:1日あたり支給上限額15,000円
助成率:4/5(令和2年1月24日以降解雇等を行っていない場合は10/10)
【令和4年1・2月の雇用調整助成金】
原則:1日あたり支給上限額11,000円
助成率:4/5(令和3年1月8日以降解雇等を行っていない場合は9/10)
地域特例・業況特例:1日あたり支給上限額15,000円
助成率:4/5(令和3年1月8日以降解雇等を行っていない場合は10/10)
【令和4年3月の雇用調整助成金】
原則:1日あたり支給上限額9,000円
助成率:4/5(令和3年1月8日以降解雇等を行っていない場合は9/10)
地域特例・業況特例:1日あたり支給上限額15,000円
助成率:4/5(令和3年1月8日以降解雇等を行っていない場合は10/10)
なお、業況特例に該当するか否かを判断する生産指標について、次のように変わります。
※ 令和3年12月までに業況の確認を行っている事業主で、令和4年1月1日以降に判定基礎期間の初日を迎える
ものについては、その段階で業況を再確認することとされています。
※ 地域特例は、「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」の対象地域で、知事による基本的対処方針に沿った
要請に基づき、営業時間の短縮といったことに協力する企業などが対象。
令和4年4月以降の取扱いについては、「経済財政運営と改革の基本方針2021」に沿って検討のうえ、令和4年2月末までに改めて明らかにするとされています。
②外国人労働者「永住」拡大を検討!
政府は外国人労働者に対し、「特定技能制度」を見直し、永住権の拡大などで、受け入れ体制を広げる検討に入りました。
なお、特定技能制度とは、2019年に設けられ、技能試験や日本語試験の合格などを条件に、人手不足が深刻な介護、外食、建設、製造などの14業種の就労在留期間を通算で上限5年まで認めるという制度です。
但し、在留期間の制限で、長期就労の意欲があっても帰国せざるを得ない、また企業側は、新たな人材確保をする手間・コスト及び採用後の教育など、待遇面での課題があるとされています。
2021年8月時点で特定技能の在留資格で就労する外国人は約3万5千人で、今後も労働力不足を補う人材として、特定技能を受け入れる企業の増加が予想されます。
なお、特定技能には、特定技能1号と特定技能2号の2種類があり、2号は1号より更に熟練した技能を有し、在留期間に制限は無く、家族の帯同が認められています。現在、「建設」と「造船・船舶工業」の2業種だけが、1号から2号への移行を可能としています。
政府は、長期在留、家族帯同が可能な「2号」に関し、上記2業種以介護士介護士資格の取得を前提にしている介護はじめ、飲食業や飲食料品製造、農業など12業種にも拡大する方向で22年3月に正式決定させ、省令や告示を改定するとしています。
今現在も特定技能2号を認めている2業種は更新が無期限であるため、就労先(転職可能)がある限り、日本に在留することも出来ます。
今回の改正では、全14業種の外国人は2号を取得すれば、10年間の日本在留要件となる「永住権」の取得が可能になることも想定されます。
専門職や技術者らに限ってきた永住への道を、幅広く開く外国人受け入れを行う今回の改正は、2019年に新資格の特定技能を導入して以来の政策の大転換となりそうです。
但し、政府内では慎重論も根強く、閣議決定までは、今後の動向を注視していく必要があると思われます。
ちなみに、令和2年10月末現在の外国人労働者数は約172万人(前年比4.0%増)で過去最高を更新し、在留資格別では多い順に「身分に基づく在留資格」が約55万人、「技能実習」約40万人、「資格外活動」約36万人、「専門的・技術的分野の在留資格」約36万人等となっています。
なお、「専門的・技術分野の在留資格」(前年比9.3%増)や「技能実習」(前年比4.8%増)が増加している一方、「資格外活動」のうち「留学」は前年比11,721人減少で、コロナ禍が留学生のアルバイトにも大きく影響していることが伺われます。
但し、外国人労働者の雇用事業所は、267,243か所、前年比10.2%増加し過去最高を記録となりました。規模別では、特に「30人未満事業所」での増加率が前年比11.3%で高かったことが目を引きました。
現在、コロナ禍で新規の外国人入国者が極端に少ない今こそ、労働力人口激減に対して明確な危機意識を持ち、改めて我が国の将来を見据えた外国人受け入れのあり方を政府、企業、国民が一体となり、各々が考える好機と感じます。