No.212020.5.26

今年の熱中症対策

(令和2年5月26日更新)

 

多発シーズン到来! 今年は特に「熱中症」への注意が必要です!

熱中症と新型コロナウイルス対策

 厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染予防が必要なこの夏は、例年より一層、熱中症に注意する必要があるとして、「新型コロナウイルスと熱中症」という両方の対策をとることが求められ、誰も経験したことのない夏になると警告しています。

 従って、今年は例年以上に生活環境全般に個々人が熱中症に対して、気配りを行い、且つコロナウイルス感染予防での情報収集をこまめにとることで、これらの発症リスクを回避すべきです。

 具体的には、まず、熱中症対策として、日常生活において水分補給には十分に気を付けましょう。飲料として摂取すべき水分の目安は1日あたり1200ml 成人の体は、何もしなくても1日に約1200mlの水分が失われる。とされ、また発汗量が多いときにはそれに見合った量の水分補給が必要です。

 よって、1日あたりの水分補給量は1500ml(1.5L)~2000ml(2L)を目安に、例えば、500mlのペットボトルを午前中に1本、午後に1本飲み、朝と寝る前にコップ1杯飲むようにすれば、最低限の水分は補うことができます。特に寝ている間に水分が失われているので、寝る前と朝にコップ1杯の水を飲む習慣をつけるといいですね。

 なお、ビールの喉越しが堪えられない季節となりましたが、アルコールは体内の水分を排泄させてしまいます。そのため、汗で失われた水分をお酒で補給しないように注意したいものです。例えばビール10本飲むと11本分が尿となって排泄されると言われています。

 水分補給には、水、麦茶などのノンカフェイン飲料を意識してとるようにしたいものです。 ジュースやスポーツドリンクなどの砂糖入りの飲み物は、急激な血糖値の上昇につながり、肥満の原因にもなってしまいます。またその後、血糖値が急降下するので頭痛やイライラ、体のだるさなどにつながります。夏はそうでなくても暑さで疲れているので、体に余計な負荷をかけないようにしたいですね。

 消防庁によると、昨年の5月から9月に熱中症で病院に搬送された人の数は全国で71,317人との事で、更に一昨年同期間の救急搬送人員 95,137 人となっております。

 日本気象協会の発表では、今年の夏の気温は、全国的に暖かい空気に覆われやすく、平年並み若しくは高く、梅雨時は蒸し暑く、盛夏は強い日差しが照り付け、厳しい暑さの日が多いとの予想ですので、新型コロナウイルス対策と合わせて、熱中症対策も必要になりそうです。

 

<熱中症になるリスク>

①マスクを着けていると体内に熱がこもりやすく、また喉の渇きも感じにくくなるため、知らないうちに脱水が進んで熱中症になるリスクがあるとしています。

②外出自粛で暑熱順応(体の機能が暑さに慣れて、汗をかいて体温を下げるなどの対処ができること)ができていない、といったことにより熱中症リスクが高まっているとされています。例年では初夏の時期から少しずつ暑さに慣れて、汗をかきやすい「夏の体」に変わると言われていますが、今年はコロナ感染防止対策での外出の機会が減っているため、一般的に「暑熱順化」が進み辛いという事ですので、日常生活では、からだ(体調、暑さへの慣れなど)と行動(暑さを避ける、活動の強さ、活動の時期と持続時間)および住まいと衣服の工夫が必要です。

 

在宅勤務時の注意点

 温度管理は特に注意が必要です。室温28℃を目安に、エアコンや扇風機を上手に使いましょう ! 但し、冷房の設定温度を28℃にしても室内が28℃になるとは限らないので、温度計で確認しながら室内温度を調整しましょう。

 新型コロナウイルス感染症対策として、東京都内の企業のテレワーク導入率が62.7%となるなど、在宅で勤務する人も増えています。社屋や屋外での熱中症対策に取り組む企業は多いですが、実は熱中症の発症場所で一番多いのは「住宅」(2019年は熱中症搬送者の38.6%)です。在宅勤務者には特に注意を要します。

 医療や福祉の専門家でつくる「かくれ脱水委員会」では、コロナ対策も踏まえて、熱中症予防のため、次の対策をとることを提言しています。

① 適切な水分補給と、必要に応じて水分や塩分の補給ができる準備をする。マスクをしていると喉の渇きに気づきにくくなるため、例年以上に、意識して水分補給をすることが大切。特にマスクをしていると喉の渇きを感じない場合が多く、気が付いたら熱中症になっているという可能性もありますので、より、こまめに水分を摂る。

② 人混みを避けた散歩や室内での軽い運動で、涼しいうちに汗をかく練習をし、暑さに体を慣れさせ、体温調整が機能するようにしておく。

③ 暑さ指数(WBGT)をチェックし、その日の行動方針にする。

環境省が勧める暑さ指数メール配信サービスなどもありますのでご活用下さい。

環境省熱中症予防情報サイト https://www.wbgt.env.go.jp/mail_service.php

 

 在宅勤務者に対してこのような情報を提供し、対策を意識づけていくことが必要です。

 

※暑さ指数(WBGT)・・・Wet Bulb Globe Temperatureは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

 

熱中症対策は新型コロナウイルス対策にもつながる

 同委員会では、新型コロナウイルスへの対応でキャパシティを超えつつある医療機関に例年どおりの数の熱中症患者が搬送されたら、医療が機能しなくなるリスクがあると指摘しています。3密状態(密閉・密集・密 接)を避けつつ、新型コロナウイルス感染防止の一環として、今年は特に熱中症対策の徹底を心がけましょう。また食事や睡眠をしっかりとって、熱中症に負けない体づくりをしておくこともとても大切です。

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