No.292021.2.1
(令和3年2月1日更新)
改正育児・介護休業法施行規則及び改正指針により、令和3年1月1日からは、育児や介護を行う全ての労働者が、子の看護休暇や介護休暇を時間単位で柔軟に取得することができるようになりました。
◆看護休暇及び介護休暇の概略
「子の看護休暇」・・・小学校就学までの子を養育する労働者が、病気やケガをした子の世話や予防のために1年度に5
日(対象となる子が2人以上の場合は10日)、を限度として、休暇を取得できる休暇制度
「介護休暇」・・・要介護状態にある対象家族を労働者が介護するために、1年度に5日(対象となる家族が2人以上の
場合は10日)、を限度として取得することができる休暇制度
◆今回の改正ポイント
子の看護休暇・看護休暇ともに「1日単位または半日単位」だったものが、今回の法改正により「1日単位または時間単位」の取得となりました。
また、「1日の取得単位が4時間以下の労働者」及び「労使協定で半日単位での取得が困難な労働者」については1日単位しか取得できませんでしたが、改正後は時間単位での取得ができることになりました。
なお、上記の時間単位とは、1時間の整数倍をいい、「1時間」を意味します。時間単位だからといって、事業所の判断で「2時間単位」などとすることはできません。1時間の整数倍かつ労働者が希望する時間数で、労働者の休暇を取得できるように整備を行うことが必要です。但し、法を上回る措置となる15分や30分単位など、分単位を認めることは可能となっております。
子の看護休暇及び介護休暇は、始業時刻からの連続、また終業時刻までの連続する時間とされています。なお、就業時間の途中に抜けて再び戻ってくるような「中抜け」での休暇取得までの義務化はされていません。
ただし、看護や介護を必要とする家族の状況や、労働者の勤務状況等に柔軟に対応するため、「中抜け」による時間単位での取得を認めるなど、弾力的な利用が可能となるよう、事業所に対して配慮することが求められています。
本改正は、働き方改革の中でも「多様で柔軟な働き方の実現」、そして「雇用形態にかかわらない公正な待遇確保のための措置」に繫がるものであり、在宅勤務/テレワークが普及した現在、現実的な活用が見込める改正内容であると言えます。なお、今回の休暇に関する改正については、就業規則や育児介護休業規程への記載が義務付けられています。