No.602023.9.1

年収106万円の壁 解消に1人50万円の助成金

(令和5年9月1日更新)

 

 ご存知の様に、社会保険の適用を受ける会社で働く「正社員・フルタイム労働者」若しくは、「週の所定労働時間・月の所定労働日数がフルタイム労働者の4分の3以上の労働者」は、収入に関係なく自分で社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しなければなりません。

 

 但し、地域別最低賃金の大幅な引き上げの中にあって、社会保険の適用拡大が進み、勤め先の従業員数が101人以上(来年10月からは51人以上) の会社では、勤務時間が20時間以上で月収が8万8000円(年収で約106万円)を超えれば、社会保険に加入義務が生じ、俗にいう年収106万円の壁にぶつかる人が今後益々増えることが予想されます。 この106万円を超えないように働く時間を調整し、社会保険加入を回避し、手取り収入の減少を避ける人が多々見受けられます。


 そこで、政府としては社会保険に加入することで、労働者負担分を何らかの形で会社が負担した場合に、会社に助成金を支給するという制度を設ける事にしました。
なお、この助成金は、既存のキャリアアップ助成金を拡充し、1人最大50万円を助成し、今年10から導入するとしています。
当然ながら、この助成金も企業側が申請しなければ得られない仕組みとなっています。


 但し、106万円以上 手取りを増やしたいパート労働者は、1社ではなく掛け持ちすることで勤務先の社会保険加入を回避することが可能です。

 また、106万円を超えると減ってしまうパート労働者の手取り収入は、労働時間を延長するなどして年収125万円に達すると、それ以前と同じ手取り収入を得ることができます。

 政府としては、年収125万円に向けて、従業員と協力して1週間当たり3時間以上の労働時間を増やす計画を作成したり、パート労働者の基本給を3%以上の賃上げに取り組んだりした企業に対して助成金を給付することを想定しており、この助成金制度の概要を盛り込んだ「支援強化パッケージ」を、9月中に取りまとめるとしています。但し、この助成金は3年程度の時限措置とし、抜本的見直しは、2025年の法案提出を目指す年金制度改革の中で議論するとしました。

 

 更に、扶養対象外の※ 年収130万円の壁 対策の暫定的な措置も検討するとしています。
なお、検討内容は年収130万円の壁に対しては、助成金対象外とされましたが、年末の繁忙期を念頭に年収130万円を超えても一時的な収入増であれば保険料負担のない扶養にとどまる場合があるとする方向で、且つ健康保険組合等に通知することで一時的な収入増に対し、考慮を求めるとしています。

「年収130万円の壁」とは、パート労働者の給与が、週の勤務が30時間未満のパートの場合、年収が130万円を超えると、会社員の配偶者が扶養から外れ、自身の勤めている会社の健康保険と厚生年金保険に加入するか、加入できない場合は国民健康保険と国民年金の保険料を負担することになります。

その結果、社会保険料がかかることで、手取りが減る年収の境を俗に年収の壁と言われています。

なお、年収130万円の壁は年収106万円の壁と異なり、複数の掛け持ち勤務先を含めた合計年収で判断されます。


 パート主婦やフリーターの場合、家族の扶養に入っている人は106万円や130万円以上になった時の社会保険料の負担が手取りに大きく影響することに注意するとともに、掛け持ちを活用しながら130万円未満で押さえるか、社会保険料を負担するなら160万円以上稼ぐべきと考えます。

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