No.482022.9.1
(令和4年9月1日更新)
政府は8月26日、新型コロナウイルスの感染拡大により、休業手当の一部を企業に助成する雇用調整助成金(雇調金)の特例措置について、雇用情勢の改善を受けて、縮小する方針を固めた。
この特例措置は売上高が落ち込んだ企業が対象となっており、直近の売上高がコロナ前などと比べて30%以上減った企業などに助成されている。
なお、経営が悪化している企業の従業員1人当たりの日額上限を3千円引き下げて、9月末まで1万5000円(原則9000円)であった日額上限額を10月1日~11月末までの期間は、1万2000円にするとした。
但し、最大10分の10の助成率は維持される。
また、コロナ前などと比べて売上高が5%以上減ることが支給要件となっている企業の日額上限も、現行の9千円から8,355円に減らし、且つ、この5%を10%以上に改めるとしている。但し、助成率は最大10分の9の現状維持とするとした。
なお、感染状況や雇用情勢を踏まえて、12月以降の対応を決める模様である。
政府発表によると、雇用調整助成金の支給決定額は、2020年春からの累計で6兆55億円に達し、財源が逼迫している状況にあることを明らかにした。
今までは、税金の投入や雇用保険の積立金からの借り入れで対応してきたが、この積立金も2023年3月には枯渇する見込みで、危機的状況が続くと懸念されているなか、特例の縮小を更に進めることなどにより、雇用保険財政の安定化を図るとした。
また、小学校や保育園等が感染拡大で臨時休校し、子供の世話で仕事を休んだ保護者向けの助成金も引き下げる。