No.582023.7.1

~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~                 こども・子育て政策の目指す社会像と基本理念とは

(令和5年7月1日更新)

 

少子化の現状

 総務省統計での人口の推移を見ると、2019年以降 加速度的な人口減少が進んでおり、2023年5月時点の概算では、総人口は前年同月比57万人減で、且つ2022年の出生数は80万人を割り込み、過去最少で、政府の予測よりも8年早いペースで少子化が進んでいます。
 今後、2030年代に入ると、日本の若年人口は急減し、少子化に歯止めが利かない状況が予想され、まさに今年から6~7年間での少子化対策が大きな鍵となっています。
 そこで、政府としては、この4月以降、内閣総理大臣の下に、こども未来戦略会議を立ち上げ、こども家庭庁において こども政策を体系的に取りまとめつつ、6月の『骨太の方針2023』に将来的なこども予算倍増に向けた大枠とともに、具体策を盛り込む方針を示しました。

 

こども・子育て政策の目指すべき社会像と基本理念

 少子化対策の基本スタンスは、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを産み、育てることが出来る様にすること、すなわち、個人の幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを好転させることとしています。
 こうした基本スタンスのもと、「未来への投資」としてこども子育て政策を強化するとともに、更に社会全体でこども・子育てを支えていくという意識を醸成していくことが必要であると謳っています。
 そのため、政府は以下の3つをこども・子育て政策の基本理念とし、取り組みを行うとしました。


基本理念1.若い世代の所得を増やす

 若い世代が現在の所得や将来の見通しを持てるようにすることが必要であるため、こども・子育て政策の範疇を超えた社会経済対策として「賃上げ」に取り組む方針を示した。
 また、経済的支援の具体策としては、児童手当の拡充(所得制限の撤廃、高校卒業までの支給期間延長、多子世帯への手当額拡充など)、更なる出産・子育て応援交付金(10万円)の恒久化、及び出産費用の保険適用など、また、就労要件などに関係なく、時間単位等で、誰でもが利用できる通園制度の創設などが組み込まれることとしました。

 

基本理念2.社会全体の構造・意識を変える

 少子化には、これまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっている為、家庭内において育児負担が女性に集中しているワンオペ主に母親が1人で育児している状態)の実態を変え、夫婦が相互に協力しながら子育てし、それを職場が応援し、地域社会全体で支援する社会を作る必要があるとしました。

 その為には、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、さらには地域社会、高齢
者や独身者を含めて、国民の皆が参加して、社会全体の構造や意識を変えていく必要があると明記しています。

 特に、男性の育児休業取得率は、令和3年度は約14%でしたが、その取得率を2025

年までに30%引き上げをする政府目標を掲げています。更に、2030年には、「男性育
休が当たり前」
となる社会を目指して、官民ともども85%の目標を設定しました。

 なお、労働者が職場や上司、同僚に気兼ねなく育児休業等を取得できる環境整備を行

う中小企業に対し、助成措置を強化することも盛り込んでいます。

 

基本理念3.全ての子育て世帯を切れ目なく支援する
 親の就業形態に関わらず、どのような家庭状況にあっても分け隔てなく、 ライフス

テージに沿って切れ目なく支援を行うことが必要です。

 こうした観点から、子育て支援制度全体を見直し、「総合的な制度体系」を構築するとしました。

 また、その際に、行政が切れ目なく伴走する、あるいは支援を要する方々に行政からアプローチする伴走型支援・プッシュ型支援への移行を進めていくと明記しています。
 具体的には、労働者が短時間勤務を選択しても手取りが変わることなく、育児や家事を分担できる様に、子供が2歳未満の期間に短時間勤務を選択した場合は「給付」を創設するとしました。

 更に、「子の看護休暇」の充実も検討していくとしています。

 以上の他にもフリーランス保険料免除や雇用保険が適用されない労働者にも育児休業給付等の受給を可能とするなどの数々の見直しが検討されています。

 

今後3年間で取り組む「こども・子育て支援加速化プラン」

 2030年代に入るまでの6~7年で少子化対策を加速化するため、今後3年間を集中取組期間として「こども・子育て支援加速化プラン」に取り組むこととしております。

 なお、政府としては、次元の異なる少子化対策の実現に向けてより一層、少子化問題の課題解決の先頭に立って、全力で取り組んで参ります との力強い表明がなされました。

 

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